MVNOにしたけど最終的に得も損もしなかった話
携帯電話がスマホになってから、毎月の通信費が上がった方がほとんどだと思います。私は長年auを使ってきましたが、毎月のデータ通信使用量が0.5GBを切る程だったため、ある日思い切ってMVNOへ乗り換えることにしました。
「電話もめったに使わないし、データ通信も全然使わないし、MVNOが断然得!」
その考えでau系MVNO(当時)であるmineo(マイネオ)を選択。
今から書くのは、大きく得をする予定が全く得をしなかったパターンの話です。
事前の損得見積もり
mineoに変えるとどのくらい得をするのか、前もって概算しておきました。ちなみに、mineoとの契約は音声通話付きSIMカードのみで、本体はau時代のものを引き継ぎます。まず毎月の料金がどう変わるかですが、以下の通りです。
auの毎月の料金(7GB/月):8,600円
→ mineoの毎月の料金(1GB/月):1,800円
つまり、auからmineoに変えると、月々6,800円の得になることが分かりました。続いて、auの解約料金とmineoの契約料金は以下の通りです。
au解約に掛かる料金:37,000円
- 誰でも割契約解除料:10,000円
- MNP転出手数料:2,000円
- 本体代残金:25,000円
mineo契約に掛かる料金:3,000円
- 新規事務手数料:3,000円
2年縛りの途中で解約するため契約解除料がかかり、また2年かけて実質無料になるはずだった本体代金の残金を支払う必要がありました。解約料金と契約料金を合わせて40,000円の初期費用がかかることが分かりました。よって、
40,000 ÷ 6,800 = 5.88
このことから、auからmineoに乗り換えることによって生じる初期費用は約6ヶ月で元が取れ、mineo利用7ヶ月以降から月6,800円の得になるという概算が得られました!
「半年以上使えば今よりかなりお得になるぞ!!!」
実際に半年使ってみた
私がau時代に使っていたスマホはXperia UL SOL22。
個人的には十分満足できる機種で、この機種にmineoのSIMカードを挿して利用しました。通話や通信品質に関しては、auの頃と比べて見劣りすることは特にありませんでした。
mineo生活にしてから6ヶ月間の平均月額料金は1875円。通話料は毎月異なりますが、利用途中でmineoの料金改定(値引き)などがあり、最終的にほぼ概算通りの月額料金となり、予定通り6ヶ月目から利用料の損得がプラスになりました。
「よし、あとは毎月得をするだけだ!!」
アクシデント発生
それは、毎月得をしながらホクホクしていた9ヶ月目に発生しました。
Xperia UL SOL22 故障
電源ボタンに接触不良が起きたのか、画面がついたり消えたり長押しメニューが勝手に出てきたり、とにかく可愛かったSOL22がじゃじゃ馬に変貌してしまいました。この現象は、いくつか報告されているようです。
ここで、ふと頭をよぎる。
「これauで買ったスマホだけど、私はもうauユーザーじゃない・・・」
「mineoユーザーの私はこのauスマホをどう修理すればいいんだ?」
重なる不幸
当時の状況はこうです。
結論から言うと、私はauユーザーではないため、auが提供する保証サービスを受けることはできません。また、本体の購入から1年以上経過しているため、メーカー保証も受けることができません。
※仮に本体購入から1年以内だった場合、Sony製のXperiaをauを通じて購入したため、Sonyが提供するメーカー保証をauを通じて受けることができるみたいです。
(参考:XperiaZ1の修理完了!回線契約してなくてもメーカー保証で無償で修理してくれました!)
そしてもちろん、mineoとSOL22に直接関係は一切無いため、mineoに修理を依頼するのは御門違いです。この時点で有償保証は確定したわけですが、実は修理に関して3つの不安がありました。
以上の不安が渦巻き、まずauショップへ行く暇すら無かったため、早々にSOL22の修理を諦めることにしました。
そう、MVNOにして困ったことは、自ら持ち込んだ本体の修理が大変ということです。
そして、不幸は重なります。先ほどの不安の中でも出てきましたが、大事な電話が多い時期に本体が故障してしまい、更に、SOL22のじゃじゃ馬具合も日に日に増していっていたのです。
「ちくしょう!!!新規購入だ!!!」
やむなく、私はmineoが販売しているスマホを購入することにしました。当時のmineoが販売していたスマホは、当時の価格で安い順に以下の3種類。
- LUCE KCP01K:33,600円(当時)
- DIGNO M KYL22:51,840円(当時)
- AQUOS SERIE SHL25:75,600円(当時)
「高ぇ...。得するためにmineoにしたのに本体新規購入とかマジかよ!!!」
ただもう、こればかりは仕方がありません。そして、まだ不幸は重なります。 実は私は、Suica、nanaco、WAON、ヤマダ電機、JAL、スターバックスカードなど、可能な限りおサイフケータイを活用している人間なのです。特に、Suica、nanaco、WAONに関しては、SOL22本体にかなりの額の残高が残っていました。
つまり、おサイフケータイ付きスマホを買わなければ、それらが消えてしまうのです。
スマホの新規購入は予想外すぎる出費なため、なるべく安く抑えたいところです。が、最安のLUCEにはおサイフケータイ機能は付いていません。
やむなく私は、DIGNO M KYL22を51,840円で新規購入する羽目になったのです。
「半年以上使えば今よりかなりお得になるぞ!!!」
予定通り6ヶ月目から利用料の損得がプラスになりました。
「よし、あとは毎月得をするだけだ!!」
過去の発言が虚しく脳内に響きます。
悲しいかな、じゃじゃ馬になったSOL22と同じく22の名を持つものです。
更には、端末追加契約事務手数料として3,000円を追加徴収されるオマケ付き。
この後、本体の修理保証を付けたため月額料金も少し値上がりし、予想外の出費約55,000円を回収するのに5ヶ月かかりました。もちろん、mineo契約後7ヶ月目以降に蓄積したプラス分に加えて更に5ヶ月です。
おわりに
auからmineoに乗り換えて14ヶ月、私はMVNOを利用することで得をしようとして、結局得も損もしませんでした。14ヶ月でmineoに支払った通信料金は、au契約のまま14ヶ月間auに支払う予定だった通信料金と変わらないものでした。だた1点異なるのは、手元に残ったものが
- 動かないXperia UL SOL22
- 新しいDIGNO M KYL22(mineo仕様)
になっている 点です。
今回の私の話は、特別なパターンの話でしょうか?いえ、今回のパターンは、キャリアで購入したスマホを使ってMVNOへ乗り換えるすべての人に起こりうることです。
今回のようなことを経験すると、キャリア3社とMVNOの料金の差には、やはり提供するサービス内容の差が大きく含まれているからと、少し納得できるようになりました。
追伸
私は訳あってmineoとの契約を14ヶ月で終了したため、得も損もしなかったと言っています。もちろん、14ヶ月目で全ての支出を回収できているため、15ヶ月目以降は毎月得をするだけです(auの毎月の支払い料金を8,600円に固定して考えた場合ですけどね)。